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映画『タクシー運転手』を見て(1)by 中杉通

カテゴリ:
ラストシーンが30年前の私につながった
同じタクシー運転手として

映画『タクシー運転手』

 私は東京のタクシー運転手である。タクシー運転手は、個人主義だ。誰も教えてくれないし、助けてもくれないし、収入はそれぞれの腕と経験と「運」だ。こうすれば稼げるというマニュアルがあってもアテにはならない。すべて自分次第。

 100,000ウォンの大金に目が眩んで、同業の危険な上客を横取りした主人公の、それが「運」だったのだろう。ソウルでこつこつと営業してたら、彼は生涯にわたり、闘う同胞の英雄的な生きざまを知ることもなく、自分以外の誰かや何かのために、自分が命を懸ける瞬間とも無縁だったに違いない。

映画『タクシー運転手』を見て(2)by 大川ふとし

カテゴリ:
ごく普通の人の小さな決心の積み重ねが明日を創る
「私」が「私たち」になる瞬間

映画『タクシー運転手』

 劇場内は夕方前にもかかわらず満席だ。20代から70代までの年齢層がまんべんなく押し寄せている。大手新聞に紹介されたこと、また、韓国の人気監督、人気俳優による作品であることもあるのだろうが、極めて政治的な題材を扱った作品であるにも関わらず、この盛況ぶりには目を見開いた。韓国では1,200万人動員突破の大ヒット作である。

 その題材とは、1980年5月、韓国・光州民衆蜂起、軍による弾圧・虐殺である。公式な発表でも死者154名、行方不明者70名という陰惨なものだ(5.18記念財団による保証金支給者)。本作は外国人記者と彼を乗せたタクシー運転手の実話から構成したものである。

映画『タクシー運転手』を見て(3)by まっぺん

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「光州事件」に巻き込まれた市民の目線から描く
これは見ないと絶対に後悔する映画だ!

taxi03
 5月3日、錦糸町の楽天地シネマで彼女と韓国映画『タクシー運転手』を観てきました。
 最終日のはずでしたが期間が延長され、10日までは観られるようです。20時20分の最終回をみました。編集の仕事の〆切が心配でしたが、無理しても観て来てよかった。

 これは実話を題材に構成された作品。当時の光州の様子が実にリアルで、あのハードアクション感は本物だと感じさせます。最後のカーチェイスや、その前の検問で逃してやる兵士のシーン等は「こうあってほしい」という観客の願望に応えるフィクションでしょうが、それが作品に痛快さを演出し、娯楽作品としての味を出しています。

 作品の中心を貫くテーマは紛れもない本物。特に、主人公のタクシー運転手が、普通の庶民が持つ意識から、躊躇しながらだんだんと変貌をとげて行く姿に我々は感動する。これはあの光州事件を題材としていますが、それを政治的観点から俯瞰して描いているのではなく、市民の目線からとらえています。だから「政治的映画」とは言えない。娯楽映画、あるいはアクション映画でしょうか。ストーリー解説などは他の方に任せますが、何度も泣いてしまう映画です。オススメの作品。観なかったらきっと後悔します。

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