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「国富とはなんだと映画つきつける」
乱 鬼龍(川柳作家、ジグザグ会呼びかけ人、経産省前テントひろば運営委員)

 映画「日本と原発」 2011年3・11以後、多くの原発映画が創られたが、その中でも、この映画は実にわかりやすく(小・中・高校生などにもぜひ観てもらいたいものと思う)、また、原発に関するいくつもの論点を実に手際よくまとめてあり、完成度の高いすぐれた映画だと観た。

 映画は、フクシマ現地の取材の上にさらに小出裕章・田中三彦・飯田哲也らの専門家の見解、又ロシア・チェルノブイリ原発事故の、その後の放射能汚染の現 在など、ロシアの医師の話など、ていねいに、しかも多面的に取材し、その整理の仕方、組み立て方など、技術的にも非常にすぐれたものであると思った。
 そして、映画のサブタイトルにもあるように「私たちは原発で幸せですか?」、フクシマの現実とその重い事実は、決して幸せではない。幸せでないどころか、地震列島・火山列島の上に54基もの原発が林立するなどということは正気の沙汰ではない。
 日本を滅ぼしかねないどころか、人類、地球そのものをも滅ぼしかねない。修復不能のものだということをひとりひとりの国民が、人類が、自分自身の頭で考え、判断し、そして行動して欲しいと訴えている。

 その意味で、この映画は、全国各地どころか、この同時代を生きる世界の人々にも(近々英語字幕入りも完成予定とのこと)ひとりでも多く観て頂きたい必見の映画であると思った。
これは、その意味で原発(の諸問題)に対する明快な答えでもある。ぜひ多くの皆さんが観られて、その感想の輪を広げ、力とし、原発と原子力ムラに象徴され るような今日の政治、経済、文化…といった総体に対する根底的変革を迫る行動を、力強く前へ進めなければならない時代だという思いを共に共有したいものと 思う。