映画『タクシー運転手ー約束は海を越えて』をみんなで見た
予告編動画 ↓『タクシー運転手ー約束は海を越えて』をジグザグ会の数人で見てきました。ここでは3人の感想を紹介します。ぜひお読みください。その上で映画に関心をもっていただくきっかけになれば幸いです。
本作は1980年のいわゆる「光州事件」を題材に、実話を元にした商業映画で、韓国では1500万を動員する空前のヒット作となりました。映画の内容解説については3人の感想(特に大川さんの)を読んでください。
先に同じ光州事件を取り上げた『光州5・18』では、いわばその内部から悲劇の真実を描いていますが、本作では当時の背景情勢や政治的主張などは全く描かれず、外の人間(主人公)が見たまんま、ごく普通の人としてのふれあいを、時に笑いをまじえて描いていきます。さらに主人公は戒厳令に反対する学生のデモを「迷惑」と言うような、時代背景を考えれば「普通」を通り越していささか鈍感すぎるくらいの陽気でいい加減な男です。
しかしそんな一介のタクシー運転手の勇気によって、覆い隠されていた光州での事態、その映像などが、全世界に伝えられたのです。「外の人間」としての目線、主義主張ではない人として当たり前のふれあい、そして私たちと変わらないごく普通の人々の勇気によって引き起こされた奇跡。
特に感想を寄せてくださった3人とって「光州事件」は、少年~青年時代に、日本のすぐ隣でおこったショッキングな事件であり、その後の人生に影響を与えた事件でもあります。あの当時「英雄的」とさえ思っていた行動が、今現在の自分と何ら変わらない普通の人たちの勇気によって担われていたこと、およびもつかない思想ではなく、充分に理解できる当たり前の行動だったこと。それは再度事件を自分たちに引きつけ、新しい意味を私たちに与えてくれるものです。